パグにショックを受けた話

初めに断っておきますが今回の話は決してスポーツを批判するものではありません。スポーツの世界大会などでの記録更新は素晴らしいことだと思っていますし、そういった記録を出すことは常人には考えられない厳しい鍛錬を行うなど、並み大抵の努力では成しえないことです。ただ、だからこそ…思う所がありました。

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人類最速の男

皆さんはウサイン・ボルトという選手をご存じでしょうか。陸上世界大会で100メートル9秒58、200メートルでは19秒19という驚異的な記録を持つジャマイカの英雄です。

100m9秒台!

そんなボルト選手ですが、それらの記録を出した大会の後は色々なテレビ番組に出演していました。その中で、あるバラエティー番組でボルト選手と犬の「パグ」が競争するという企画がありました。

絶望を与えるパグ

実際にパグとボルト選手が並んで競争するというものでは無かったのですが、世界陸上のボルト選手の映像の後にパグを走らせてタイム計測をするという内容でした。

正直私は、ボルト選手の勝利を疑いもしませんでした。世界最速の人間が犬に負ける訳がないだろ、と。万が一、僅差になることがあってもパグは顔が潰れているので鼻の差で勝てると思いました。

しかし、結果はパグの圧勝でした。私はその結果にショックを受けました。名実ともに人類最速の男が犬に…ワンちゃんに負けたのです。しかもそのパグはパグ界最速ではなく、おそらくテレビ番組制作スタッフのただの飼い犬のパグだったでしょう。人生をかける程の努力をしても走ることでは犬にさえ勝てない。最速といっても所詮「人類」の中での一番という事実。

人間にしては早いな(笑)

この結果を見て私は色々考えました。そもそも格闘技の世界チャンピオンでも熊や虎には勝てないでしょう。NBAのバスケット選手でもジャンプ力ではサバンナの大型山猫カラカルには勝てません。私は長考の結果、人間の身体能力を単純に鍛えることはある種の無力感が伴うという考えに至りました。

今でも大人気の漫画「ハンター×ハンター」に登場するヒソカというキャラクターがカストロというキャラとの戦闘でこんなセリフを言ったことがあります。「キミの敗因は容量(メモリ)の無駄遣い」これは、分かる人には分かると思いますが、要は人間には自分に合った資質や特性があって、ちゃんとその分野を考えて鍛えればもっと上に行ける、ということです。

この場面では人間同士の戦いで個人の能力差の話でしたが、これを人間と他の生き物という分け方をしたとするとどうでしょう?人間として生まれたならば、人間として優れている部分に重点を置いて鍛えた方がより効率的であると言えないでしょうか?

では、人間が他の生き物より優れている点は何か?それは、「思考」と「手」であると考えます。そもそも人間がここまでの進化をしてきたのは二足歩行になったことで手が自由になり、手を多く使う事で繊細な作業が徐々に可能となり、脳が刺激され発達していった結果今の文明的な人類史まで進化することが出来たのです。

であるならば、人間として鍛えるべくは「考えること」と「手」であるはずです。

考える事!

しかし、人は皆その人なりに考えて生きていますし、生活する上で様々に手を使っています。この考えはあくまで超長期的な進化の歴史の話であり一世代でどうこうできる問題ではないということですね。他の様々な要因が組み合わさっての人生ですから答えも無いことです。

一時的にパグの走りが速過ぎてショックを受けましたが、短い個人の一生ならば細かい事はあまり気にしないで好きなことして自由に生きれれば良いということで自分を納得させました。

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